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    リフォームスタイルの新提案

■セミナー概要
【テーマ】 リフォームスタイルの新提案
【講 師】 中谷 昇 (株)アートアンドクラフト 代表http://www.a-crafts.co.jp/
【開催日】 2001年8月4日(土曜日)14:00〜15:30
【会 場】 大阪ガスインテリアデザインスクール 6F A教室
【参加数】 110名(※定員80名に対し、希望者多数のため定員以上を収容)

セミナー風景

■講義概要
リフォーム(reform:改良する、改善する)から リモデル(remodel:作り変える)へ
浴槽やトイレ等の水まわりや床暖房の設置など主に設備面を変更する「リフォーム」に対し、新たなリフォームスタイルである、「リモデル」を提案している。「リモデル」とは、ライフスタイルの変化に伴った間取りの変更などのように、マンションの'全面改装'の意味である。
現在、市場に出まわっている大多数の分譲マンションは「出来あがった住宅を買う」建売住宅であるため、マーケットを「最大公約数(一番マーケットが広いと思われる層)」に絞っている。
しかし一方では、最大公約数では満足できない人々〜「自分の生活スタイル」にこだわりをもっている〜が存在する。そのこだわりを実現できるのが「リモデル」であると考えている。

「中古マンション+全面改装」が増えている背景
昭和40年代、戦後で住宅が不足していた頃、大量のマンション(=公的な団地)が建設された。それ以降、民間のディベロッパーによるマンションが、毎年大量に供給されつづけている。そのため供給過多に陥り、現在 全住宅の約1割が空家になっている。その結果、次のような現象が起こっている。
1) 価格の低下…需要と供給のバランスが崩れ、中古マンションは新築マンションの半値になっている。
2) 成熟の時代…生活スタイルの多様化、家族形態の多様化により住宅に求めるものが変わっている。
特にバブル時代にマンションを購入した人達は、ライフスタイルの変化に伴い買い替えを希望しているが、購入金額を割るという現実が立ちはだかる。そのため、今の住居をリフォームし、永住する人が増えている。
また、供給側も多様化するニーズにこたえるべく、サービスの方向性を変えつつある。従来は高額物件しかなかったセミオーダー型の分譲マンションや、組合を作って自主的にマンションを建設する「コーポラティブハウス」、賃貸住宅のデザイナーズマンションなどが増えつつあり、住宅のかたちも選択することができる。
以上の複合的理由から、中古マンションを新築よりも安い価格で手に入れ、自分らしい部屋、家族の生活スタイルに合わせて全面リモデルする人が増えてきたと思われる。

全面リフォームの具体的手法
分譲マンション(最大公約数の住宅)が目指すものは、メンテナンスフリーで汚れにくい扱いやすい住宅である。
間取りは、一部屋の面積は小さいが部屋数を多くした3LDKが大半を占める。
それに対し、「リモデル」は各クライアントにあわせた住まいを提案することができる。
では、具体的なプランニングとマテリアル・設備機器は…

<プランニング(間取り)>

部屋数は少なくLDKを充実 小家族には壁を作らず、家族とのコミュニケーションのために広いスペースを確保 配管を隠さずに天井高を高くし、開放的な空間を演出
 
北側に設置されることが多い玄関を、明るく広いスムースに入れる空間に SOHOという新たなワークスタイルの出現で、ワークスペースを希望する方も増えている
また、OA機器や請求書などがリビングから見えないスペースも必要では。
 


<マテリアル(材料)>…一般的で無難な材料ではなく、異なった質感をだすために様々な材料を採用

  床材  
フローリングに杉をあえて使用 畳に近い感覚でサイザル麻を使用 ワインの栓に使うコルクを使用
壁材 造作家具
一般的なクロスではなく下地に直接ペイントして素材感を楽しむ ブロックやタイルを使用して部屋のポイントに 造り付けではない可動自在な棚をつくる

<設備機器>…オリジナル性を重視

キッチン 照明

今後の予測

今後の「リモデル」の課題は、「融資制度の整備」と「マンション内のルールづくり」である。中古マンションの購入代金とリフォーム費用を同時に融資が受けられるローン商品はまだまだ不十分であるし、これまでのリフォームより大規模で工事期間が長い「リモデル」に対して、住民間のルールも整備されていないと考える。
ニーズとしては、「自然志向(エコロジー)」や「高齢者専門」などの専門的な市場が増えていくであろう。また、海外と同様に「賃貸住宅」のリフォームも出来るようになるだろう。最近よくいわれている「環境(ゴミ)問題」もリフォームすることで住宅の建替えサイクルの長期化をする事ができるのではないだろうか。
倉庫やビルを改装して住んでいる例も徐々に増えている傾向から、マンション以外の建物に関してもリモデルは進むであろう。
今までの既成概念にとらわれず、普通の家ではできない手法でリフォームし、安くすむ方法もある。「住」もそれぞれの個性を生かしたものが一般化していく、おもしろい時代になってきたと考えている。


倉庫を改装 事務所の地下室を改装

■事務局所感

マンションのリフォームについて感心を持っ方が増えていますが、実際にリフォームの仕事に携わっている方のお話を聞く機会はあまり無いようです。そのためか、今回のセミナーには予想以上のお申込があり、事務局としても嬉しく思います。このセミナーを通じて、みなさまが「暮らし」について考える一つのヒントになりましたら幸いです。


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