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    店舗照明デザイナーの仕事

■セミナー概要
【テーマ】 店舗照明デザイナーの仕事
【講 師】 後藤 啓子 フリーランスライティングデザイナー (有)絵可 代表取締役
PROFILE
嵯峨美術短大(生活デザイン科)卒業後、(株)遠藤照明入社/環境照明研究室に配属になり、主に商業施設、コンペ、百貨店の照明計画・照明デザイン業務に携わる/平成7年フリーランスとして独立し、主に照明器具メーカー マックスレイ(株)等の商業施設・照明計画を行う/平成10年会社設立 代表取締役に就任

最近の主な仕事
アパレルメーカーjava group出店・改装店舗の専属照明計画/加賀百万石博メインパビリオン ライティングプロデュース担当/奈良市歩道設置彫刻ライトアップ計画に参加・計画/外食産業グループ・照明計画見直し及びコンサルティング担当/クリエイティブ集団grafによるリノベーション物件(旧北国銀行)のライティングプラン照明計画の他、 プロダクトデザインや企業CIコンサルティングも行う。
セミナー風景
セミナー風景
【開催日】 2008年10月25日(土曜日)11:00〜12:00
【会 場】 大阪ガスインテリアデザインスクール

■講義概要
照明デザイナーの仕事は、昔ほどは少なくなりましたが、今でも器具デザインをすることだと思われている人もいます。このセミナーでは、実際の「照明デザイナー」の仕事を事例を通じてお話いたします。

照明デザイナーの仕事は大きく2つに分類されます。
●テクニカル・・・設計に関連するもの
●意匠性・・・デザインに関連するもの

光設計→光源(電球→器具の中)→選定
ペンダント、フロアライトなどエモーショナル(意匠性)が高い器具の選定と配置つまり、仕事に対して2方面から臨むことが要求されます。

では、具体的な仕事の流れを物件毎に順を追って説明いたします。


住宅
この住宅は、ハウスメーカーからではなく設計事務所から依頼のあった仕事です。
3Dで作成されたCAD図面(外観パース)が届き、全居室に対する照明プランを行いました。
イメージ写真などを使い、蛍光灯にした場合とスポット照明をした場合の見え方の違いをわかりやすく表現します。
光源は中央にあるより奥(壁面)にあるほうが、空間全般が明るく開放的に見えます。これをサバンナ効果といいます。
床に置くタイプの照明器具は、できるだけコーナー近くに配置すると光を受ける鉛直面が増し、よい印象になります。

また、玄関など印象的な照明が必要な空間は、具体的に図などを使い、プランニングを裏付ける説明を行います。
照明器具の配置を図面に落とし込む際は、可能な限り距離がわかるようにします。
住宅は店舗と違い、24時間人が住まう空間ですので、一番気を遣います。

店舗(飲食)
次は、京都にあるビルのリノベーション物件です。元々銀行だった建物を新たに1Fを飲食・2Fにエステとヨガの空間へ改装します。インテリアデザインは「graf」が手がけており、私はライトアップとインテリアの照明プランを依頼されました。
今回は、デリ部分にスポットがあたるように、既存の照明の電球を変更したものを採用しました。このように、少し手を加える作業を別注や加工と呼びます。デザイン意図によるこの作業は少なくありません。

照明器具のトレンドは、ペンダントです。ペンダントは、取り付けや代替が簡単なこと、シェードの素材や形を変えることで空間の雰囲気を簡単に変えることができるので、人気です。
実際に、この物件でもシェードをアパレル用のファブリックにして、ソファやクッションなどの小物とデザインの連動を演出しています。

店舗(飲食)
この物件の仕事は、照明プランではなく、コンサルティングでした。
関西を中心とした外食チェーンの郊外店の照明プランの調査と見直し提案を行いました。

今、このような第3者機関としての判断を要求される仕事が増えつつあります。 省エネという観点からも照明器具は日々進化しています。外食チェーンのように同じ店舗展開をしている場合、例えば電気代が1器当たり10円安くなったら、全店舗では莫大なコスト削減が可能です。今回は、2012年以降 白熱電球生産中止という経済産業省の指標もあり、LEDや電球型蛍光灯など消費電量が少ないものに変更すること等をご提案しました。このように現在の状況を調査し、新たな照明計画案を提案することも照明デザイナーの仕事のひとつです。

店舗(物販)
最後は、JR大阪駅にあるレディースファッションブランドの物販店の照明プランの依頼です。今回は、施主の了解を得た簡単なCGが届きました。物販でも飲食でも同じですが、基本的に計画提案に要される日数は非常に短期です。
この場合は、2日間しかありませんでした。勿論、物件が必ず決定ではなく、途中で設計変更する場合も少なくありません。そのことを考慮して、概算見積はもちろん、プランニングをする必要があります。

以上が大まかな照明デザイナーの仕事の流れです。

照明デザイナーの仕事は、設計段階から参加することは少なく、どちらかといえば、中盤以降に依頼されることが多いのが現状です。その際、必要図面が揃っていると思われがちですが、実際は工事と並行で進行のため、平面図やイメージパースしかない場合があります。それだけで空間イメージを考えて、プランニングすることを要求されます。
照明デザイナーになるために必要な能力は、3次元で考えられる空間感覚だと思います。
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■受講生アンケートより(一部抜粋)

・実際にプレゼンテーションで使用した図面などを見れてよかった。
・照明器具を置く場所により、すっきりした感じになったり、空間を広く感じることができたり・・・照明は奥が深いと思いました。

■事務局所感

実際に照明の仕事に携わっている方のお話を聞く機会は中々ありません。今回は、事例を通して仕事の流れを説明いただき、さらに本物のプレゼンテーション資料も見せていただき、より深く理解できました。
一言で「照明デザイン」といっても、プランニングからコンサルティングまで幅広い能力を求められているのではないでしょうか。


SDゼミ「店舗照明デザイナー講座」について
今回は、11月22日開講のSDゼミ「店舗照明デザイナー講座」の前哨講義として仕事セミナーを開催しました。
この講座は、演習を通じて、図面の読み方やパースの書き方、模型を使った配光効果の違いなどを体系的に身に付けていただくよう、演習を重視したカリキュラムが特徴です。
3次元空間感覚をもったプレゼンテーションできる照明デザイナー"を最終目標にしています。
12月のオプション講義は、東京照明トレンド見学です。東京が最先端のイルミネーションを東京在住の照明デザイナー案内のもと、違った角度から照明を見ることができる貴重な機会になると思います。

SDゼミ「店舗照明デザイナー講座」に関する内容は、
こちらをクリックください。→
SDゼミ「店舗照明デザイナー講座」
 (PDF形式:83KB)


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