トップ > 古民家再生


    

古民家再生
岡山を中心に活動している「古民家再生工房」は、設計事務所を主宰する6人の建築家で組織され、1988年から古い民家の再生を積極的に手がけています。彼らは、ごく普通の民家を対象に次の世代が積極的に住み継ぐことができる魅力的な現代住宅として甦らせ、住みながら残していく方法を模索し、現在までに100棟を超える民家を再生しています。
今回は、メンバーの一人である神家昭雄氏の再生した民家を2件ご紹介します。

プロフィール
神家 昭雄(かみや・あきお)
岡山県生れ。明石工業高等専門学校建築学科卒業。1987年PLUS建築研究所設立。1994年神家昭雄建築研究室に改称。1998年「明石の家」で日本建築学会作品選奨、BELCA賞受賞。1999年「古民家再生工房の継続的な活動」で日本建築学会業績賞受賞。『古民家再生術』(共著、住まいの図書館出版局)矢吹昭良、佐藤隆、萩原嘉郎、楢村徹、大角雄三らと古民家再生工房として活躍中。
 
作 品
岡山の家
岡山の家
  デザイン事務所外観
デザイン事務所外観

【岡山の家(岡山市・100坪)】総工費:5000万円
築後150年以上経つ農家を「再生」した家です。886uある土地を30p嵩上げしたいという施主の希望をかなえるため、ジャッキアップという昔ながらの工法を用いています。家のいたるところで、非常に細かな細工を施した150年前の建具と現代の大工のすばらしい手仕事が時代を超えて上手く融合された新しい匠の技を見ることができます。またそれが古材の持つ表情を上手く引き出しているといえます。
「最初はこの家を全て壊し、新築の家を建てようかと思っていました。しかし、妻と娘の希望もあり、再生させる道を選びました。神家先生の「古民家再生」に対する考え方や人柄に惹かれて依頼しました。工事は約1年間かかりましたが、150年の歴史を満足のいく形で残せて大変満足しています。」(建主談)
 
【デザイン事務所(岡山市)】総工費:1000万円
神家氏友人のデザイン事務所は、元々農機具を収納する納屋ものをそのまま再生するのではなく、現代風にアレンジしています。約1000万円という低予算には思えないほど、神家氏のデザインソースが生きた作品になっています。単なるどぶ川だった事務所を取り囲む水路は、再生後水と家がいい関係を築き、新たな環境“癒される空間”をつくっています。1階の中心部に土間を通すことで2つに分けられた空間は主に打合わせをしたり友人とお酒を飲む時などのスペースに、そして2階は事務所として利用されています。元々階の階高は低かったのですが、吹き抜けの部分があるため、圧迫感を全く感じません。また水路に面した家の裏にテラスを設け、お茶を飲んだり出来るよう配慮されています。将来はパオ(※モンゴル遊牧民族の移動式住居)を増築して、居住空間も兼ねる計画があるそうです。「オフィス」とは思えない開放的な空間なので、喫茶店と間違えて入ってくる人も少なくないそうです。
 
≪神家氏より≫
バブル時代はスクラップ&ビルドが当たり前でしたが、私は当時からその考えには疑問を持っていました。環境を大切にした建築という点で、「再生」は今後見直されていく分野だと思います。雑誌や見学会などから問合わせが少なくありません。それだけ「先祖から受継いだものを大切にしたい」「思い出のある家を壊してしまいたくない」と考えている人も多いのかもしれませんね。また古民家の再生は住んでいる人が楽しんでこそ成立する事業です。古民家は出来上がった建物を見ても「時間(歴史)」が感じられるところも利点です。私は単に古い民家を現代風にアレンジするのでもなく、民家の持っている特質を十分に生かし、間取りや空間を再構成し、時代を超えた新しい住宅として「再生」していきたいと思っています。
 


閉じる


▲ページトップへ