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クロスを貼る人たちも多いのだが私たちは珪藻土を選択した。どのクロスを貼るかなんて聞かれても答えは出なかったと思う。
だが、これは本当にきつかった。寒い時期の約3ヶ月を費やした。
二人とも仕事が休みの日しかできないし、工事内容によっては邪魔をすることになり作業できない時もあった。
そんな日は照明器具を買いに行ったりで、私たちの共通の楽しみであるスノーボードに1シーズン全く行けないという悲劇にあった。
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| 共に戦ったものたち |
お金を使わずにすんでコストダウンになったと無理矢理思うしかなかった。
すでに珪藻土を塗っているお宅にHさんと行き、水との配分や練り状態などを指導してもらった。
その時私は仕事で行けず主人だけが行ったのだが、それが自分たちの家を塗る時の役割分担に大きく影響することになった。
まずはきちんと養生をしなければならなかった。無垢材の床や柱に珪藻土がつくと黒く変色してしまうのだ。
想像してみてほしい。たとえ建坪30坪の家とはいえ、壁すべて(浴室以外)を塗るのだから面積はただものではない。
これを養生するだけでも気の遠くなるような作業となった。残念なことに私はこんな細かく地味な作業ができる人間ではなく、主人がひたすらテープやシートを貼っている横で、コテとコテ台を手にせかしているだけだった。
下塗りに使う珪藻土は少し粗めの土で結構塗りやすい。
下塗りということもあり、あまり細かい事は気にせず塗れるのだが大きな塊を作ってしまうと上塗りの際に影響してくるのでその部分には気をつけた。上塗りは細かな粒子の土で、これがすぐに乾いてしまう。いかにも「つぎたしました」という部分ができてしまうのだ。このやり方では汚くなってしまうので一人が塗り、一人が材料を練ることにしようと決めた。役割分担だが私は指導を受けに行っていないという事と、下塗り段階での塗りっぷり(大ざっぱな性格の私は大胆に塗るのでスピードが速い)から私が塗り、主人が練るということに決定した。私の「ええとこ取り」という感じで主人には申し訳ないことをしたと後には反省したのだが、その頃は早く終わらせたい一心だった。
何が辛かったのかというと、まずは寒い。冬だからただでさえ寒いのに、塗りたては特有の臭いがするし、乾燥させるために窓を開けっ放しで作業する。いくら着込んでも冷えるのだ。
次に身体的な問題だ。
塗った後は腕がパンパンになる。しゃがみこんで塗る場所もあれば、脚立の上に立って腕を伸ばして塗らなければならない場所もあるから体勢がキツイ。職人さんのすごさを実感した。それが仕事ではあるのだけど・・・最後は精神的な問題だ。塗り始めた頃は腕が痛くても楽しんでいた。でも、自分たちが塗りに行くことで大工さんたちの作業の邪魔になるのは当然のことで、それにより工事がはかどらなく工期が延びることになるんではないかという焦りが出てくる。また、普段は仕事に行き休みの日は珪藻土を塗るという休息時間・遊び時間が全くなくなった3ヶ月間のストレスがたまっていた。それで二人のイライラが爆発することもあった。塗り終えた時には解放感と達成感を得たのだが・・・この珪藻土塗りでもみなさんに助けられた。楽しそうと言って下塗りを手伝ってくれた友人・親族たちに感謝。大工さんには塗りやすい方法を伝授してもらったり、塗りにくい場所には足場をつくってもらったりした。
業者さんたちは「お茶にしよう」とあったかいコーヒーを買ってきてくれて一緒に休憩しながらねぎらいの言葉をかけてくれた。
どっちが「施主」なのか分からない状態だ。私たちが作業の邪魔になった時もあったはずだが、優しく見守ってくれたみなさんに感謝です。
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