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自分で家を建てる
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プロフィール
chapter4 Do it YourselfA〜家づくりは楽じゃない
珪藻土塗り

クロスを貼る人たちも多いのだが私たちは珪藻土を選択した。どのクロスを貼るかなんて聞かれても答えは出なかったと思う。
だが、これは本当にきつかった。寒い時期の約3ヶ月を費やした。
二人とも仕事が休みの日しかできないし、工事内容によっては邪魔をすることになり作業できない時もあった。
そんな日は照明器具を買いに行ったりで、私たちの共通の楽しみであるスノーボードに1シーズン全く行けないという悲劇にあった。

共に戦ったものたち
共に戦ったものたち

お金を使わずにすんでコストダウンになったと無理矢理思うしかなかった。
すでに珪藻土を塗っているお宅にHさんと行き、水との配分や練り状態などを指導してもらった。
その時私は仕事で行けず主人だけが行ったのだが、それが自分たちの家を塗る時の役割分担に大きく影響することになった。
まずはきちんと養生をしなければならなかった。無垢材の床や柱に珪藻土がつくと黒く変色してしまうのだ。
想像してみてほしい。たとえ建坪30坪の家とはいえ、壁すべて(浴室以外)を塗るのだから面積はただものではない。
これを養生するだけでも気の遠くなるような作業となった。残念なことに私はこんな細かく地味な作業ができる人間ではなく、主人がひたすらテープやシートを貼っている横で、コテとコテ台を手にせかしているだけだった。
下塗りに使う珪藻土は少し粗めの土で結構塗りやすい。
下塗りということもあり、あまり細かい事は気にせず塗れるのだが大きな塊を作ってしまうと上塗りの際に影響してくるのでその部分には気をつけた。上塗りは細かな粒子の土で、これがすぐに乾いてしまう。いかにも「つぎたしました」という部分ができてしまうのだ。このやり方では汚くなってしまうので一人が塗り、一人が材料を練ることにしようと決めた。役割分担だが私は指導を受けに行っていないという事と、下塗り段階での塗りっぷり(大ざっぱな性格の私は大胆に塗るのでスピードが速い)から私が塗り、主人が練るということに決定した。私の「ええとこ取り」という感じで主人には申し訳ないことをしたと後には反省したのだが、その頃は早く終わらせたい一心だった。
何が辛かったのかというと、まずは寒い。冬だからただでさえ寒いのに、塗りたては特有の臭いがするし、乾燥させるために窓を開けっ放しで作業する。いくら着込んでも冷えるのだ。
次に身体的な問題だ。
塗った後は腕がパンパンになる。しゃがみこんで塗る場所もあれば、脚立の上に立って腕を伸ばして塗らなければならない場所もあるから体勢がキツイ。職人さんのすごさを実感した。それが仕事ではあるのだけど・・・最後は精神的な問題だ。塗り始めた頃は腕が痛くても楽しんでいた。でも、自分たちが塗りに行くことで大工さんたちの作業の邪魔になるのは当然のことで、それにより工事がはかどらなく工期が延びることになるんではないかという焦りが出てくる。また、普段は仕事に行き休みの日は珪藻土を塗るという休息時間・遊び時間が全くなくなった3ヶ月間のストレスがたまっていた。それで二人のイライラが爆発することもあった。塗り終えた時には解放感と達成感を得たのだが・・・この珪藻土塗りでもみなさんに助けられた。楽しそうと言って下塗りを手伝ってくれた友人・親族たちに感謝。大工さんには塗りやすい方法を伝授してもらったり、塗りにくい場所には足場をつくってもらったりした。
業者さんたちは「お茶にしよう」とあったかいコーヒーを買ってきてくれて一緒に休憩しながらねぎらいの言葉をかけてくれた。
どっちが「施主」なのか分からない状態だ。私たちが作業の邪魔になった時もあったはずだが、優しく見守ってくれたみなさんに感謝です。

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タイル貼り
「キッチン前の壁はタイルがいい」これは私の要望だった。
キッチンパネルが存在し、簡単に貼れ掃除も楽にできるというのは分かっていたが、あたたかい空間に無機質なパネルは貼りたくなかった。
Hさんの「自分たちで貼れますよ」の一言を聞き私たちはタイル探しに出かけた。
ある店で見つけたタイルは手塗り風の色合いで4辺も直線ではなく波打った感じのやわらかい印象を受けた。有名メーカーの量産品に比べると値段は格段に高かったが、そのタイルを購入した。タイル貼りは意外に簡単だった。まずは配置を考え簡単な図面を書く。その通りに接着剤で貼っていく。目地の問題があるが、購入したタイルの4辺が直線でないために密着させて貼ってもスキマができるので自然と目地ができるのだ。接着剤が乾いたら目地を埋め、端をコーキングで埋めていく。Hさんに要所要所の指導を受け作業は進んでいった。出来上がりは満足するもので、Hさんも驚いていた。この作業の中の難問はタイルを切ることだった。もちろん全てがそのまま貼れるわけはなく、サイズを合わせる必要がある。専用のカッターを借りて切ってみるのだが、手元はふらついて思い通りに切れないし、途中で割れてしまったりと時間のかかる作業となった。「破片が飛んでくるから危ない」と職人さんたちが教えてくれ、決してカッコイイとは言えない専用メガネを装着した。玄関土間・ポーチの床用タイルも購入していたのだが、これは硬すぎて素人には切ることが不可能だった。結果、竣工より1年後の外構工事の時に貼ってもらったのだが、その間モルタルの土間とポーチで生活することになった。
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洗面台・ゲタ箱
大工さんにお願いして置いて行ってもらった床材の余りで洗面台とゲタ箱を作った。
1階の自分たち専用洗面台は会社で安く購入したもので納得したのだが、2階の洗面コーナーに同じものを置く気はなかったし、空間に統一感を出したかった。
かといって木製の洗面台は値がはる。手元にせっかく無垢材があるのだから作ってしまおうということになったのだ。
どんな風にしたいのか案を出し、Hさん・水道屋さんの協力のもとシンプルだがしっくりとくるものが完成した。
ゲタ箱は大容量のものが必要だった。しかもまだこれからも増え続けるであろう靴たちに対応できるものが・・・
靴にこだわりを持っている主人の意見が反映された。ここは私は譲るしかないのだ。
(有名スニーカーでもどこで作られているかで何年物なのか分かるらしい。自分の求めている物を見つけると衝動買いする。革靴になるとまたうるさい。革の美しさに魅了されているのだ。1週間仕事に行くと同じ靴を履くことはない。それが長持ちさせる秘訣らしい。
まめに靴磨きもする。驚くほどの値段が付いていたりするのだが、私はその情熱に負けてしまうのだ。)
その主人の要望は自慢の靴たちを見せたいというものだった。
そんなゲタ箱を売っていないし、作ってもらうのにもお金がかかる。Hさんに相談すると当然のごとく「作りましょう」との返答だった。
インパクトドライバー片手に床から天井までそびえたつ見せるためのゲタ箱を完成させた。
我が家に来て最初に目に付くのがこのゲタ箱となっている。


「建て主主導の家づくり」で一番大切なことは人間関係だと思う。
自分たち二人だけでできるなんてことはあり得ない。
職人さんたちとのコミュニケーション、それによってできる信頼関係がとても重要だ。今思うと、気のいいオヤジは私たちにそんな家づくりをさせたかったのだろう。本当に大変だったのだが、みなさんの協力なしでは出来なかったと思う。本当に感謝している。


私たちを過酷なDIYへと導いたHさんにも、感謝の一言だ。
正式契約を交わした後にhomeksjkを退社していたにもかかわらず、引渡しまで、またそれ以降も私たちの面倒を見てくれた人物なのだ。
退社したということは、動くことでお金が入ってくることもない。それでもあんなにしてくれるなんて余程こんな家が好きなんだろうと思っていると工事終了間近に「僕は細かい造作をほどこした家が好きなんですよ」なんて言ってのけた。
自分の好き嫌いに関係なくいろんな事に興味をしめし、また参加することで自分の武器を増やし続けているのだ。
この頃いかに正確な図面を迅速に仕上げるかが仕事になっていた私には「目からウロコ」の瞬間だった。Hさん、本当にありがとうございました。
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chapter3 Do It Yourself@ 〜家づくりは楽じゃない
chapter5 木と珪藻土の家


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