若林 三都子
Wakabayashi Mitsuko
(2004年4月〜2004年10月在籍)
最優秀賞
Healing Home〜癒しのある暮らし〜
リフォームプラン(before&after)
提案のポイント
玄関は主に奥様が「内玄関」として利用し、「表玄関」としての機能は庭に面したバルコニーに持たせました。
お友達や近所の方々は、玄関からではなく、庭を通ってバルコニーからお宅に上がって頂くため、玄関ポーチから庭に誘導するようにアプローチ〜ポーチ〜ツルバラのアーチ〜バルコニーへとつながりを配慮しました。電動車イスでの外出が容易となるように、ポーチ・玄関のレベルを室内のレベルに揃え、アプローチとポーチのレベル差(460mm)は段差解消リフトによって解消しました。
キッチンは奥様が長く過ごされる場所なので、明るく、楽しく、リビング・ダイニングとの動線がスムーズになるよう配慮しました。耐水性と掃除のしやすさを考慮してクッションフロアとし、フロア全体に床暖房を施しました。
リビング・ダイニングは1階で一番明るい、庭に面した「特等席」のコーナーに配置しましたので、食事をしながら、庭のグリーン、四季折々の花を楽しむことが出来ます。バルコニーには腰掛け用ベンチを置き、「表玄関」としての機能を持たせます。奥様だけでなく、お友達や近所の方々にもまるで自分の家のようにリラックスできる、いつでも気軽に立ち寄っていただける居心地の良い空間作りを配慮しました。
卒業制作担当講師
田中直人先生・入江美津子先生
より一言
指定課題に対して、「企画案」を何度も練り直され、その度に増える膨大な「企画書」。
そんな真摯な取組かたに敬服する作品である。
「Healing Home(癒しのある暮らし)」というテーマを、当事者の疾病の不自由さの軽減と、ご主人の思い出がいっぱい詰まった宝石箱として。それらを、「からだ」と「こころ」に優しい生活空間としてまとめている。特に玄関は従来の考えとは異なる。「内玄関」と「表玄関」が逆転発想。「家の顔」としての玄関を当事者専用の「内玄関」に。それは使い勝手が最優先。その上スペースも確保。来客用の「表玄関」までは、庭の四季の移ろいを感じながらの長いアプローチ。その先では、温もりのあるウッドデッキが客をもてなす。屋内空間は風や光を浴び、自然の移り変わりが、感じられる庭に面した「くつろぎの場」として。そして、屋内外の随所にも「心を癒す」工夫が盛込まれた力作である。
<田中 直人先生のプロフィール>
東京大学大学院工学系研究科建築学専門課程修了。神戸市役所にて、建築・都市地域の計画やデザインを担当後、神戸芸術工科大学環境デザイン学科教授を経て、1997年4月より、現職。この間、兵庫県立福祉のまちづくり工学研究所主任研究員を兼任。一級建築士事務所・NATS環境デザインネットワーク主宰。
主な作品として、奄美海洋展示館(1997)国際障害者交流センター(ビッグアイ)(2001)等がある。
摂南大学建築学部教授 工学博士・一級建築士
<入江 美津子先生のプロフィール>
大阪大学工学部選科生終了。1981年AfA建築設計 設立。住環境だけでなく、寺社や病院等の幅広い環境改善提案も中心に行っている。
京都府建築士会福祉研究会幹事、京都府福祉用具産業化研究会に参加。
一級建築士・福祉住環境コーディネーター