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世界建築探訪 ジム・トンプソンの家


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 私は、夫の海外転勤に伴い2004年11月に渡タイした。バンコク都内の中心街(日本人の多い地域)で暮らしている。周辺は高層ビルやマンションが建ち並ぶコンクリートジャングルで、発展途上国とは言え大都会である。バンコク都から一歩出れば自然が広がるタイの田舎風景をいたる所で目にすることができるが、バンコク都内はタイの趣きを感じさせる建築物をなかなか見ることはできない。今回、そのバンコク都の中心街にありながら、タイの伝統的な建築用法を用いて建てられ、現在もなお当時のまま美しく保存されている“ジム・トンプソンの家”を紹介する。
 
 ジム・トンプソンは、アメリカ人で建築家であった。第2次世界大戦時に陸軍の将校としてタイに派遣され、戦後タイに魅せられ永住しタイシルクの発展に力を尽くした人である。彼の家は、タイの古い建築様式を取り入れ、高い耐久性を持つチーク材で釘を全く使わずに建てた家を6軒寄せ集めたものである。驚くことにこれらは100年から200年経ており、そのうちの5軒はアユタヤから川を下って運ばれたものである。 古いタイの建築様式とは、熱帯特有の気候風土を踏まえた高床式の住居で、床を人の背丈ほどにあげることによって雨季の洪水から家を守り、暑季の暑さを凌ぐ風を取り込み、ベンガル虎などの猛獣の侵入を防いでいる。その他にも、雨季の激しいスコールによる雨水を遠くに吹き飛ばすスライダー型の屋根、高床によって取り込んだ風を効率良く各部屋に送り込むための各部屋間の段差等の特徴も備え、外壁は風化や老化で痛まないように朱色のベンガラという顔料で塗装されている。 ジム・トンプソンの家1
 
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 ジム・トンプソンの家は主人を失ってから、タイシルクメーカー"ジム・トンプソン"の象徴として、現在一般に公開されている。館内に一歩入ると、そこは古きよき西洋のインテリア様式とタイの伝統的様式が見事に調和された世界であった。ダイニングルームには、ジム・トンプソンが愛用していた食器や家具が展示されている。テーブルは細かい細工を施された中国製のマージャン卓、食器は青と白の中国製の陶磁器、シャンデリアは18〜19世紀のベルギー製、細かい螺鈿が施されたサイドテーブル、他に日本の古伊万里の焼物などもあった。室内の展示品は、周辺諸国の価値のある古美術品が多数ある。
(館内は撮影禁止であったため、写真を紹介できないのが残念!)


 館内には、レストランも併設されており、クッションや小物は全てジム・トンプソン、家具はシンプルでハイセンスにまとめられており、とても洗練され現代風の優雅な空間である。インテリアに興味がある方にはオススメの一店である。料理もとても美味しく、それでいて手頃な値段であった。
(特に、トムヤムクンは海老みそ入りで絶品。私はバンコクで一番ではないか、と思っている。)


ジム・トンプソンの家3
ハイセンスな併設のレストランも
おすすめ。
 


 1967年、ジム・トムプソンはマレーシアのカメロンハイランドヘの旅行中に失跡した。彼に何が起こったかは、未だに手掛かりは見つかっていない。
 現在、この家はボランティア団体によって博物館として管理・運営されており、彼のタイを深く愛する気持ちを世界の人々に伝えている。

ジム・トンプソンの家公式ホームページ(英語版)

 
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プロフィール
旅行者 (氏名)吉村 弘美
大阪ガスインテリアデザインスクール インテリアコーディネーター総合コース卒業
旅行期間 2004年11月〜タイ在住
訪れた建築 (国・都市)タイ・バンコク
(建築物名)ジム・トンプソンの家
(設計者)ジム・トンプソン(1906〜?)
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