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Interior Brush up Seminar トークセッション「暮らしの中のデザイン」 【テーマ】トークセッション「暮らしの中のデザイン【講 師】野井成正(野井デザイン事務所 インテリアデザイナー)・服部 滋樹(graf代表 空間デザイナー)【開催日】2004年1月14日(水曜日)19:00〜21:30【会 場】大阪ガスインテリアデザインスクール 6F A教室【参加者】63名
野井成正
プロフィール
デザインリソース
インテリアデザイナー 野井デザイン事務所
服部滋樹
プロフィール
デザインリソース
空間デザイナー graf代表
 
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「暮らしの中のデザイン」について
 
野井先生
コンピュータを使って、果たしてデザインプロセスの中間イメージや発想が生まれてくるのだろうかという不安があります。

服部先生

ケイタイに通ずる話だと思います。

野井先生
今は学校で、デッサンする時間が少なく、すぐにコンピュータワークに入ってしまうと聞きます。
例えば、10分間リンゴをいろんな角度で描き込んでいく訓練をすることによって、リンゴの大きさ、素材感、色合いがデッサンの中から滲み出てきます。もののバランスとかも理解しやすくなります。やはり手で描く訓練は重要だと思います。

服部先生
僕も学校で、いやというほど描かされました。専攻がインテリアではなく彫刻だったので、石膏デッサン、生物デッサン、1年に300枚描かされたと思う。でも、それが今となっては非常に役立っています。

野井先生
コンピュータも必要と思いますが、コンピュータは消しゴムの一つ、鉛筆みたいなもので、一個の道具であってしかるべきです。否定も断言もしませんが、アイディアをコンピュータから生み出すのは無理なのではと思います。
グラフィックデザイナーもコンピュータだけでデザインする人が多いようです。僕の主観ですが、彼らがつくったものを見ると、非現実的で、あたたかさが感じられないと感じます。
最近は、テレビ番組のタイトルもコンピュータグラフィックで作成したものが多く、オーバーな表現で描かれた画面のトリックに先に気がいって、グッと迫ってくるものがないと感じます。

服部先生
僕は、コンピュータを使いこなせる人が出てきたら、そこにもあたたかさは出てくるのではと期待しています。

野井先生
これからの課題だと思いますが、難しいと思いますよ。

服部先生
僕も手で描くのが好きなので、脳で考えずに手に考えてもらったりすることはあります。
僕よりもっと若い人達は、使いこなしている人たちもたくさんいるのですが、暖かみにまで持っていけるのは、僕らの世代ではないような気もしますね。でもコンピュータソフトが、1歳児でも描ける道具になって、その1歳児が30歳になった時、もしかするとあたたかいものができるかもしれないと思います。

野井先生
でもソフトは人間がつくるわけでしょう。その範囲から飛び出ることは無理ではないでしょうか。

服部先生
もしかしたらできるかもしれないと思うのは、微妙なのですが・・・。コンピュータの画像上で技術的なところで、ソフト自体が生活にもっと密着するような道具になれば、あたたかみを帯びる手法がそ使い手のテクニックとして生まれるような気もします。

野井先生
大雑把に言えばグラフィカルなのです。素材感を出そうとすると、デッサン力を持っている人の方が優秀です。

服部先生
そうですね。大工さんに手書きの図面を渡した時、「この設計士さんは、この部分に気合を入れて、図面を描いているな」と大工さんも気を引き締めて仕事にのぞまれるということを聞きました。「設計者がここに力を入れて描いた」ということがコンピュータでも表現できるようになったら、使いこなされた形になるのではないでしょうか。

野井先生
コンピュータで描かれた図面は、確かに見やすいし、わかりやすいけど、そこにハートがない。設計者、デザイナーの思い込みが画面に現れていないように感じます。でも微妙なかすれ具合、微妙な太さ、細さが出せると、コンピュータもリアルになるのではないでしょうか。

服部先生
コミュニケーションの延長で話が脱線しましたが、デザインする上で気持ちが伝わることが重要だと僕らは思っていて、今日はこんな話で終わります。

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会場からの質問 1
先生方の作品は、オリジナリティとアイデンティティが確立されていると思います。いつから自分らしさを全面に出されるようになったのでしょうか。

服部先生
僕は最初からです。線1本の話でもそうだけど、依頼されたオーダーが頭の中に入って身体の電波を通って、線を引く。その段階でアイディアは入っている。でもいくらオーダーされても僕がつくるものは僕しかできないと思う。
デザインや感性については楽観的な考えなので、最初から自信はありました。でもそれが受け入れられるかどうかは自分でもわかりませんでした。でも自分に自信を持つのはよいことではないでしょうか。

野井先生
僕は、真似かな。興味ある先生や作家の作品をみて、興味がわくと自分なりに描いてみて、どういう形になるのかと模型をつくったりしました。でも全く真似したことはありません。それを自分のものに置き換えたつもりです。ほとんどの人がそうだと思います。

服部先生
感性は、見たもの、触れたものによって向上するので、そういうアプローチの方法でもいいと思います。

野井先生
でも自分なりのオリジナリティはどこかにあるはずです。それを見いだせるかどうかでしょう。「自分はこうしたい、俺やったらこれを使いたい、したい」という部分がないと出てこないものですね。
僕もいろんな作家に真似された経験あるから、真似するなら僕の意図をわかってくれて真似してほしい、僕を飛び越えてほしいと思います。僕に「うまいこと真似したな!」と言わせてほしい。ところがみんな「よく似てるなあ」で終わっている。それだったら真似してほしくないと思います。

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会場からの質問 2
野井先生の作品のような"和紙"を使ったデザインを提案すると、お客様から汚れるとか、使いにくいという声があってなかなか取り入れることができません。私は住宅を主に仕事をしているので、メンテナンスの点を非常に気にしています。野井先生は、どのようにお客様にご説明されているのですか。

野井先生
僕は、「汚れも一つの美しさがある」と思っていますが、埃に関してはきちんとアドバイスをします。それもできない場合もたまにありますが、解決方法はコミュニケーションだと思います。お客様が気になることは、仕事を引き受ける前に聞きます。何回も食事をしたり、飲みに行くなどして会話の機会をもちます。お互いが納得した上で、改めて仕事を受けるべきか、やめるべきかをも決めます。

服部先生
僕もそう思います。
キーワードをたくさんすり合わせることが、仕事作業の6割くらいを占めます。どれだけリサーチできるか、プロセスとしてつくり手の思いを伝えられるかだと思います。そうすることで、クレームが防げるのではないでしょうか。これも大切なコミュニケーションの一つですね。

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